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◆ 第一句集
森羅万象すべてのものにいのちがあり、またいのちのないものにそこに存在する意義がある。相手のいのちは抱きしめればいい、そしてそこに人間のいのちというものは、どうしたらいちばん輝くか、十七文字の中で確かめ表わすのが俳句であり浄さんの生きる生活の匂いである。
(神蔵 器)
●自選十句
曲り家の藁千貫になづな咲く
花筏擬宝珠橋をくぐり抜け
梅雨月夜森の匂ひの髪ほどく
老鶯の声濡らすなり藩祖廟
大寺に吸ひ込まれゆく白日傘
夏川にゴッホの跳ね橋影うつす
庭師来て盆路の空を剪り拡ぐ
式部の実色に更なる位持つ
名を変へて夜ごと逢ふ月細りけり
雪の堂女人独りが釈迦と坐す
「風土」同人
定価 本体2476円+税=2600円
序・神蔵 器
跋・小林輝子
装丁・君嶋真理子
4/6判上製カバー装
242頁