土間といふゆかしき土へ独楽放つ
遅参せし最前列の汗ひかず
憎まねば怒りの消えず鶏頭花
少年の日の正月や働き盛りの頃の回想句を収録。誰しも体験することに裏打ちされていて、思わず身を乗り出したくなる著者の第2句集。
●著者略歴
昭和11年8月4日盛岡市生まれ。昭和52年職場句会で句作開始。昭和56年「狩」入会。昭和63年第10回狩座賞(新人賞)受賞。狩同人、俳人協会会員。平成4年第1句集『雪吊』上梓。岩手県芸術選奨受賞。平成9年退職記念句集『羽場』。平成13年第22回巻狩賞(同人賞)受賞。狩白羽同人。NHK学園講師。