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◆第四句集
平成10年から18年までの655句を収録。身辺の物に心をよせつつ、折々たずねた里山の生活を中心に詠んだもの。
節穴をのぞけば白き花吹雪
生来の都会派から、時にするりとぬけでても、やっぱり都会派かもしれないが。なにやら不穏な大野朱香の行く手に、たのしき冒険あれ!
(帯より)
◆自選十句より
立春やポンプ井戸より水飛び出
龍天に合唱団は袖へ消え
蟻出づやむかうからくる団子虫
電柱の負ひし擦傷春休
みつばちの降りたきれんげ揺れやまず
入盆や卵ごろんとざるの上
梨の木のとなり柿の木魂迎
朝礼の列の湾曲野分くる
盥打つ糸瓜を出でし一雫
へたりをる枕に月の光かな
*
[おおのしゅか(1955〜)「童子」同人]
帯・栞:小沢信男
装丁:君嶋真理子
四六判並製カバー装グラシン巻き
242頁
2007.07.19刊行