『双眸』の著者は新鮮な作品と雰囲気で鷹に登場し、二三十代の恵まれた実績を積んだ。今は華やかさを超え、四十代の素の自分を求めようとする難しい時期にあるが、その予兆はすでに句集の中にちりばめられている。第一句集。
春日傘白樺と風交し合ふ
楡の木も馬身も夕立はじきつつ
水澄めり馬にかしづく蹄鉄師
吹替の声に違和感ラ・フランス
父死して父の物なし夏の壁
●著者略歴
1957年10月24日東京に生まれる。1985年「鷹」入会。1994年第22回「鷹」新人賞受賞。「鷹」同人、現代俳句協会会員。茨城県水戸市在住。