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◆ふらんす堂文庫
"人間"をテーマにその神秘なる陰影を読出
人間存在のエロティックな息づかいが聞こえ死の揺曳する生のダイナミズムを艶やかにう詠う
◆収録作品より
くちびるを出て朝寒のこゑとなる
咳了へてほのかに来る人の息
うすうすとわが春愁に飢もあり
寡作なる人の二月の畑仕事
老残のこと伝はらず業平忌
逝く吾子に万葉の露みなはしれ
何も言はず妻倚り坐る夜の秋
長靴に腰埋め野分の老教師
風邪衾かすかに重し吾子が踏む
倅みてあやふみ擁く新珠吾子
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[のむらとうしろう(1911〜2001)]
栞:宗 左近
装丁:千葉皓史
A6判フランス装
90頁
1990.05.15刊行