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ホーム句集 > 単行本樋口すま子句集『花りんご』(はなりんご)
書籍詳細

樋口すま子句集『花りんご』(はなりんご)[9784781402529]

販売価格: 2,476円(税別)
(税込: 2,724円)
[【在庫切れ】]
◆崇高幽玄な世界
御嶽は雲の中なり花りんご
御嶽さんは雲の中、その麓は林檎の花盛り。雲の白さが引き立てる林檎の花の美しさ。

靄に浮く大和三山雁わたる
山麓に靄がかかった大和三山。折から雁の列が通ってゆく。気品に満ちた古代さながらの風景。

両句とも大景であり、構図も明確だが、「雲」や「靄」を配することで、崇高幽玄な世界が展開された。名画にまさる名句といえよう。

(帯より:鷹羽狩行)

◆岬 雪夫抽出
御嶽は雲の中なり花りんご
遠き日のことははつきり木の葉髪
靄に浮く大和三山雁わたる
やはらかき障子明りに針運ぶ 
火の色の触れてつめたき落椿
喉仏動く死人や村芝居
淡路島をば借景に墓洗ふ
囀りの奥にさへづり裏六甲 
幕間に吉良のふるまふ新走り 
北淡海よりひたひたと春の水 
人はみな侏儒となりゆく那智の滝
飛ばされし戒名拾ふ寒さかな

*

[ひぐち・すまこ(1930〜) 「狩」「天衣」同人]
序句/帯:鷹羽狩行
跋:岬 雪夫
装丁:奥川はるみ
四六判上製カバー装
188頁
2010年6月16日
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